Make Noise SoundHack Echophon
プロセシングをおこないたい任意のシグナルをシグナル・イン(1A)へパッチングします。連携するレベル・コントロール(2A)は70%まで
モジュラー・シンセサイザーの一般的なシグナルである10Vppに適合します。70%より開いていくとデジタル・オーヴァーロードによる
クリッピングが発生するでしょう。MIXアウト(6A)より出力を取りミキサーやモニター・システムへ入力してみましょう。
MIXパネル・コントロール(5A)を約50%に設定して効果を確認してみましょう。
DEPTHコントロール(4C)はピッチシフト効果のレンジまたは深度を設定します。PITCHパネル・コントロール(2C)と同様にPITCH 1
(8C)とPITCH 2(9C)へのCV入力に対するデジタルVCAとして捉えると分かり易いかもしれません。DEPTHが0%の時に
ピッチシフト効果は発生しません。50%の辺りで微細で緻密なピッチシフト効果が発生し、コーラス・エフェクトを得られます。
50%から上げていく毎にピッチシフトは深さを増幅させ、100%で4オクターヴ域でのハーモナイズが可能になります。
DEPTHパラメーターはMATHSで生成されるエンヴェロープ等のリニア曲線を描くモジュレーションが最適です。
PITCHコントロールは入力されたサウンドのピッチを変化させます。PITCHパネル・コントロール(2C)とPITCH 2(9C)による設定から
PITCH 1(8C)は連携するバイポーラー・アッテネーター(5C)によって入力CVを加算したり減算することができます。PITCH 1は
ヴィブラート効果をもたらすLFOの入力に最適です。その場合、連携するアッテネーター(5C)を調整することでヴィブラートの深さを
プログラムします。PITCH 2(9C)はシーケンシャルCVやキーボードCVの入力に適しています。ほとんどのアナログ・シーケンサーは
0V〜5VレンジのユニポーラーCVを出力するので、すべてのピッチ・レンジをコントロールするためにはPITCHパネル・コントロール
(2C)を反時計回りに0%まで絞りきる必要があるでしょう。
ECHOタイム・パネル・コントロール(3D)はサウンドの遅延線の長さ/遅延時間を設定します。レンジは反時計回りに絞りきった状態の
0.007秒から時計回りに全開にした状態の1.7秒までです。ECHO CVイン(5D)へパッチングし、連携する
ユニポーラー・アッテネーターを調整することで遅延時間/ECHOタイムをモジュレートすることができます。このパラメーターは
滑らかなエクスポネンシャル曲線反応による大きなモジュレーション効果を想定しているのでどんな入力ソースにも見事な働きを
みせてくれるでしょう。
外部クロック・シグナルをTEMPOイン(6D)へ入力すると、ECHOPHONはそのクロックを追従し、
ECHOタイム・パネル・コントロールは入力クロックに対するディヴァイザー(分割器)またはマルチプライアー(乗算器)として機能します。
最遅クロック(入力または出力)は遅延時間の限界に制約されます。よって12分の1アウトを出力するためにはそれなりに早いクロックを
入力する必要があります。(最低1.7秒間に12クロックまたは0.15秒周期)
FEEDBACKパネル・コントロール(3E)は0%から49%までがLOOP1をフィードバックが通過し、50%の位置でフィードバックは
起こらず、51%から100%までがLOOP2をフィードバックが通過するバイポーラー・コントロールです。LOOP1はピッチシフターを
通るのでフィードバックが再生成される度にピッチシフトされていきます。すると螺旋状のエコーはしだいに高まり可聴域を
越えていくか、しだいに低くなって不明瞭な低音波となります。LOOP2は伝統的なエコー・リピートのフィードバックを再生成します。
バイポーラーCVによるFEEDBACKへのモジュレーションは、異なる2つのフィードバック・ループが連続的にクロスフェードする
ECHOPHONの特筆すべきユニークな要素です。フィードバックがゼロの時(50%の位置、0V)、エコーは一度だけ返った後、遅延線は
空になります。よってFEEDBACKをモジュレートするシグナルの割合とECHOタイムの間の比率はバイポーラー・モジュレーションに
とって重要な要素となります。ミッドレンジのLFO(約4hz付近)によるFEEDBACKへのバイポーラー・モジュレーションの効果は
わかりやすいでしょう。オーディオ・レートによるバイポーラー・モジュレーションは緻密で豪華な反響音を発生させます。長い下降時間
を持つASRエンヴェロープやPressure PointによるシーケンシャルCVは構成的にサウンドを変容させることができるでしょう。
例えばフィードバックの増幅が引き起こす多重リピートで音色の密度を強調させることができます。
FREEZEの使用法
シグナルをECHOPHONに通して、FREEZEボタン(1F)を押すか立ち上がったゲートをFREEZEゲート・イン(2F)に送ることで
ECHOPHONはエコーが響き渡る空洞の入り口を閉じて、内部に反響するサウンドを繰り返します。この状態の時、
FREEZE LED(3F)は点灯します。ECHOPHONがFREEZE状態の間もピッチはPITCHパラメーターによってコントロールされます。
ECHOタイム・パラメーターもサウンドを破壊的に変化させます。FREEZE状態の間はFEEDBACKコントロールは何の変化も
与えません。FREEZEボタンはFREEZEゲートより優先される機能です。よってFREEZEボタンによってFREEZE状態が
ONになっている際にFREEZEゲートを送っても状態は切り替わりません。
外部フィードバック・ループ
FBアウト(2B)をmodDemix等の外部モジュールに入力してみましょう。外部モジュールによるFBアウト・シグナルのプロセシングを
おこないます。modDemixであればVCOのサイン波や三角波をCARRIERインへ入力することでリング・モジュレーション効果を
与えることができます。FBアウト・シグナルをmodDemixのシグナル・インへ入力し、modDemixのシグナル・アウトを
外部フィードバック・ループの最終段へ入力します。VCAです。Optomixは外部フィードバック・ループ・パッチの最終VCA段として
見事に働きます。Optomixからのシグナル・アウトをECHOPHONのFBイン(1B)に入力します。Optomixのコントロール・レベルを
設定してフィードバックの再生成量を決定します。
これをその他のモジュールに置き換えて外部フィードバック・ループをプロセシングし、より複雑なサウンドを創造してみましょう。
しかし、ここで重要になるのはフィードバック・ループの最終ゲイン・コントロールをおこなうVCA(または手動のアッテネーター)です。
最終段のゲイン・コントロールをおこなわないと外部フィードバック・ループの過度な増幅を抑えて音楽的に鳴らすことは難しいでしょう。
クロック・デヴァイザー/マルチプライアー
外部マスター・クロックをTEMPOインへ入力すると、ECHOタイム・コントロールは入力クロックに対するデヴァイザー(分割器)または
マルチプライアー(乗算器)として働きます。パネル・コントロールは以下の比率で動作します。
ECHOタイム 0%から50%まで: 1/16, 3/32, 1/8, 3/16, 1/4, 3/8, 1/2, 3/4
ECHOタイム 50%: 1/1
ECHOタイム 50%から100%まで: 3/2, 2/1, 3/1, 4/1, 6/1, 8/1, 12/1
最遅クロック(入力または出力)は遅延時間の限界に制約されます。よって12分の1アウトを出力するためにはそれなりに早いクロックを
入力する必要があります。(最低1.7秒間に12クロックまたは0.15秒周期)
TIPS & TRICKS:
-シグナル・インは10Vppのシグナルを想定した入力ですが、ユーロラック・システムの中ではしばしばそれよりも高いシグナルが
生成されます。レベル・コントロールを使用してクリーンなサウンドを得られるよう調整してみましょう。
-FBインの入力前にVCAやアッテネーターにパッチングしましょう。
-ピッチシフト機能を無視したければFBアウトの出力を使用しましょう。
-DEPTHにモジュレーションを与えてハーモニック・シーケンスを創造しましょう。
-ピッチシフト効果を生成するにはDEPTHを少なくとも10%以上に上げる必要があります。
-緻密なピッチシフト効果はDEPTHを低めに設定にするとよいでしょう。
-すべてのピッチ・レンジをシーケンスさせるためにはPITCHパネル・コントロールを反時計回りに0%まで絞りきり、
シーケンシャルCVをPITCH 2へ入力してみましょう。
-最遅クロックは遅延時間の限界に制約されます。よって12分の1アウトを出力するためにはそれなりに早いクロック
(最低1.7秒間に12クロックまたは0.15秒周期)をTEMPOインへ入力しましょう。
パッチ・アイデア
以下のパッチ例はすべてオーディオ・シグナルをシグナル・インへ入力し、レベル・コントロールにて調整することを前提とします。
MIXアウトから最終ミキサーまたはモニター・システムに接続しましょう。
ザ・ピラーズ・オブ・エルキュールス:
パーカッシヴなサウンドのプロセシングを目的としたパッチです。
MIX 50%, DEPTH 75%, PITCH 0%, FEEDBACK 0%(LOOP 1最大値), ECHO TIME 0%
パーカッシヴなサウンドの音量をコントロールしているエンヴェロープ・シグナルをマルチプル等で分岐し、ECHOPHONの
DEPTH CVインへ入力し、連携するアッテネーターを50%に設定します。
スライディング・ユニヴァーサル・フォノジン:
ループを作成し、テンポを維持しながらキーをトランスポーズします。
DEPTH 0%(ピッチシフト効果無し), MIX 100%, FEEDBACK 50%(フィードバック無し)
外部マスター・クロックをTEMPOインへ入力します。ECHOタイムを50%またはそれ以上に設定してマスター・クロックの分数の
エコーを出力します。FREEZEボタンを押してループを作成します。ここでDEPTHを100%に設定し、PITCHパラメーターを
変化させることでFREEZEされたサウンドをテンポを維持したままメロディックに演奏することができます。
ディジチェロ:
ピンクノイズをOptomixのシグナル・インへ入力します。Optomixのシグナル・アウトをECHOPHONのシグナル・インへ
入力します。
レベル・コントロール 80%, MIX 100%, DEPTH 100%, PITCH 0%, ECHOタイム 10%
CVとゲートを出力するシーケンス(例えばRENE等で)を作成し、ノートCVをECHOPHONのPITCH 2へ入力し、ゲートをOptomixの
STRIKEインへ入力します。FEEDBACKを調整し、ECHOPHONが自己発振する際に設定します。OptomixのDAMPパラメーターで
サウンドの響きを調整します。ECHOPHONのECHOパラメーターがサウンドの質感とレンジを変容させます。
PITCHパラメーターはサウンドのピッチをコントロールします。
スタッターフォン:
リズム・ヴァリエーションを作成するのには最適なパッチです。
MIX 50%, DEPTH 0%(ピッチシフト効果無し), FEEDBACK 50%(フィードバック無し)
外部マスター・クロックをTEMPOインへ入力します。ECHOタイム50%またはそれ以下に設定してマスター・クロックの倍数のエコーを
出力します。任意のゲートまたはマスター・クロックの分数で作成したゲートをFREEZEゲート・インへ入力するか、
またはFREEZEボタンを手動で押すことでマスター・クロックの倍数に同期したスタッター・エフェクトを得ることができます。
DEPTHとPITCHを調整して緻密なピッチシフト効果による実験や、深いハーモナイズで対旋律を加えてみましょう。
キャリブレーション手順はECHOPHONが仕様通りの動作がおこなえない時のみ必要となります。
MIXコントロール・キャリブレーション手順
この手順はMIXパネル・コントロールが時計回りに全開の際にMIXサーキットが100%のWETシグナルを出力するための調整です。
ECHOPHONには何もパッチングしない状態でパネル・コントロールを以下のように設定します。
LEVEL 0%, MIX 100%, PITCH 0%, ECHO 50%, DEPTH 0%, FEEDBACK 50%
各アッテネーターの設定は必要ありません。
1. MIXアウトからの出力をモニター・システムまたはオシロスコープまたはデジタル電圧メーターに接続します。
2. FREEZEボタンを押してFREEZE LEDを点灯させます。
3. C3にチューニングしたサイン波をシグナル・インへ入力してレベル・コントロールを65%に設定します。
4. MIXコントロール・トリマーを調整して出力をできるだけ聴こえなくなるよう(無音)にしてください。
PITCHキャリブレーション手順
PITCH 2 CVインを1V/オクターヴに適応させる調整です。
ECHOPHONには何もパッチングしない状態でパネル・コントロールを以下のように設定します。
Level 0%, MIX 50%, PITCH 0%, ECHO 50%, DEPTH 100%, FEEDBACK 50%
各アッテネーターの設定は必要ありません。
1. MIXアウトをモニター・システムに接続します。
2. C3にチューニングしたサイン波をシグナル・インへ入力してレベル・コントロールを65%に設定します。
3. クオンタイズドCVソース(RENEのQCVアウトまたはMIDI to CVソース等)または精確に設定できる電圧をPITCH 2へ入力します。
4. 2.00VをPITCH 2へ送ります。
5. DRYとWETシグナルのミックス(MIXを50%に設定することをお忘れなく)によって発生する振幅がゆるやかになるように
PITCHトリマーを調整します。
ファイン・チューニング・ピッチ(アナログ・シンセサイザーに精通した方のみに推奨します)
ECHOPHONには何もパッチングしない状態でパネル・コントロールを以下のように設定します。
Level 0%, MIX 100%, PITCH 0%, ECHO 50%, DEPTH 100%, FEEDBACK 50%
1. MIXアウトを楽器用チューナーに接続します。
2. C3にチューニングしたサイン波をシグナル・インへ入力してレベル・コントロールを65%に設定します。
3. クオンタイズドCVソース(RENEのQCVアウトMIDI to CVソース等)または精確に設定できる電圧をPITCH 2へ入力します。
4. 2.00VをPITCH 2へ送ります。
5. チューナーがC3を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
6. 2.583V(7セミトーン上昇)をPITCH 2へ送ります。
7. チューナーがG3を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
8. 1.417V(7セミトーン下降)をPITCH 2へ送ります。
9. チューナーがG2を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
10. 3V(12セミトーン上昇)をPITCH 2へ送ります。
11. チューナーがC4を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
12. 1V(12セミトーン下降)をPITCH 2へ送ります。
13. チューナーがC2を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
ステップ13が終了したら再びステップ4を実行してみてください。エラーの発生を高域または低域のお望みのオクターヴに
追いやってください。エラーは必ず発生します。あなたのお好みでエラーを高いスケールか低いスケールに追いやってください。頑張って!
SoundHack Echophon
Pitch Shifting Echo with smooth Time Modulation, Tempo Sync, saturating Feedback and a unique Pitch Shifting algorithm inspired by the Springer Tempophon and lovingly engineered by DSP Guru Tom Erbe of soundhack .
Shift Pitch of signal +/- 2 Octaves
Exponential control of delay time -Maximum Time 1.7 Seconds, Minimum Time 7 ms
Tempo input allows synchronization of Echoes to multiple or division of an external Clock
Two independent internal digital Feedback paths (Loop 1 and Loop 2)
External Analog Feedback Path for filtered or processed echoes
FREEZE button/ gate input allows for hold, stutter and sampling techniques
24 bit ADC/DAC, 32bit processing, 16bit delay storage operating at 40khz
Vactrol based Mix circuit for smooth blending of dry and wet signals
All Analog Dry Signal Path
Voltage Control over ALL parameters
Pairs well with the Phonogene
Specifications
Width:
20hp
Max Depth:
30mm
Power:
70mA@ +12V
40mA @ -12V
モジュラー・シンセサイザーの一般的なシグナルである10Vppに適合します。70%より開いていくとデジタル・オーヴァーロードによる
クリッピングが発生するでしょう。MIXアウト(6A)より出力を取りミキサーやモニター・システムへ入力してみましょう。
MIXパネル・コントロール(5A)を約50%に設定して効果を確認してみましょう。
DEPTHコントロール(4C)はピッチシフト効果のレンジまたは深度を設定します。PITCHパネル・コントロール(2C)と同様にPITCH 1
(8C)とPITCH 2(9C)へのCV入力に対するデジタルVCAとして捉えると分かり易いかもしれません。DEPTHが0%の時に
ピッチシフト効果は発生しません。50%の辺りで微細で緻密なピッチシフト効果が発生し、コーラス・エフェクトを得られます。
50%から上げていく毎にピッチシフトは深さを増幅させ、100%で4オクターヴ域でのハーモナイズが可能になります。
DEPTHパラメーターはMATHSで生成されるエンヴェロープ等のリニア曲線を描くモジュレーションが最適です。
PITCHコントロールは入力されたサウンドのピッチを変化させます。PITCHパネル・コントロール(2C)とPITCH 2(9C)による設定から
PITCH 1(8C)は連携するバイポーラー・アッテネーター(5C)によって入力CVを加算したり減算することができます。PITCH 1は
ヴィブラート効果をもたらすLFOの入力に最適です。その場合、連携するアッテネーター(5C)を調整することでヴィブラートの深さを
プログラムします。PITCH 2(9C)はシーケンシャルCVやキーボードCVの入力に適しています。ほとんどのアナログ・シーケンサーは
0V〜5VレンジのユニポーラーCVを出力するので、すべてのピッチ・レンジをコントロールするためにはPITCHパネル・コントロール
(2C)を反時計回りに0%まで絞りきる必要があるでしょう。
ECHOタイム・パネル・コントロール(3D)はサウンドの遅延線の長さ/遅延時間を設定します。レンジは反時計回りに絞りきった状態の
0.007秒から時計回りに全開にした状態の1.7秒までです。ECHO CVイン(5D)へパッチングし、連携する
ユニポーラー・アッテネーターを調整することで遅延時間/ECHOタイムをモジュレートすることができます。このパラメーターは
滑らかなエクスポネンシャル曲線反応による大きなモジュレーション効果を想定しているのでどんな入力ソースにも見事な働きを
みせてくれるでしょう。
外部クロック・シグナルをTEMPOイン(6D)へ入力すると、ECHOPHONはそのクロックを追従し、
ECHOタイム・パネル・コントロールは入力クロックに対するディヴァイザー(分割器)またはマルチプライアー(乗算器)として機能します。
最遅クロック(入力または出力)は遅延時間の限界に制約されます。よって12分の1アウトを出力するためにはそれなりに早いクロックを
入力する必要があります。(最低1.7秒間に12クロックまたは0.15秒周期)
FEEDBACKパネル・コントロール(3E)は0%から49%までがLOOP1をフィードバックが通過し、50%の位置でフィードバックは
起こらず、51%から100%までがLOOP2をフィードバックが通過するバイポーラー・コントロールです。LOOP1はピッチシフターを
通るのでフィードバックが再生成される度にピッチシフトされていきます。すると螺旋状のエコーはしだいに高まり可聴域を
越えていくか、しだいに低くなって不明瞭な低音波となります。LOOP2は伝統的なエコー・リピートのフィードバックを再生成します。
バイポーラーCVによるFEEDBACKへのモジュレーションは、異なる2つのフィードバック・ループが連続的にクロスフェードする
ECHOPHONの特筆すべきユニークな要素です。フィードバックがゼロの時(50%の位置、0V)、エコーは一度だけ返った後、遅延線は
空になります。よってFEEDBACKをモジュレートするシグナルの割合とECHOタイムの間の比率はバイポーラー・モジュレーションに
とって重要な要素となります。ミッドレンジのLFO(約4hz付近)によるFEEDBACKへのバイポーラー・モジュレーションの効果は
わかりやすいでしょう。オーディオ・レートによるバイポーラー・モジュレーションは緻密で豪華な反響音を発生させます。長い下降時間
を持つASRエンヴェロープやPressure PointによるシーケンシャルCVは構成的にサウンドを変容させることができるでしょう。
例えばフィードバックの増幅が引き起こす多重リピートで音色の密度を強調させることができます。
FREEZEの使用法
シグナルをECHOPHONに通して、FREEZEボタン(1F)を押すか立ち上がったゲートをFREEZEゲート・イン(2F)に送ることで
ECHOPHONはエコーが響き渡る空洞の入り口を閉じて、内部に反響するサウンドを繰り返します。この状態の時、
FREEZE LED(3F)は点灯します。ECHOPHONがFREEZE状態の間もピッチはPITCHパラメーターによってコントロールされます。
ECHOタイム・パラメーターもサウンドを破壊的に変化させます。FREEZE状態の間はFEEDBACKコントロールは何の変化も
与えません。FREEZEボタンはFREEZEゲートより優先される機能です。よってFREEZEボタンによってFREEZE状態が
ONになっている際にFREEZEゲートを送っても状態は切り替わりません。
外部フィードバック・ループ
FBアウト(2B)をmodDemix等の外部モジュールに入力してみましょう。外部モジュールによるFBアウト・シグナルのプロセシングを
おこないます。modDemixであればVCOのサイン波や三角波をCARRIERインへ入力することでリング・モジュレーション効果を
与えることができます。FBアウト・シグナルをmodDemixのシグナル・インへ入力し、modDemixのシグナル・アウトを
外部フィードバック・ループの最終段へ入力します。VCAです。Optomixは外部フィードバック・ループ・パッチの最終VCA段として
見事に働きます。Optomixからのシグナル・アウトをECHOPHONのFBイン(1B)に入力します。Optomixのコントロール・レベルを
設定してフィードバックの再生成量を決定します。
これをその他のモジュールに置き換えて外部フィードバック・ループをプロセシングし、より複雑なサウンドを創造してみましょう。
しかし、ここで重要になるのはフィードバック・ループの最終ゲイン・コントロールをおこなうVCA(または手動のアッテネーター)です。
最終段のゲイン・コントロールをおこなわないと外部フィードバック・ループの過度な増幅を抑えて音楽的に鳴らすことは難しいでしょう。
クロック・デヴァイザー/マルチプライアー
外部マスター・クロックをTEMPOインへ入力すると、ECHOタイム・コントロールは入力クロックに対するデヴァイザー(分割器)または
マルチプライアー(乗算器)として働きます。パネル・コントロールは以下の比率で動作します。
ECHOタイム 0%から50%まで: 1/16, 3/32, 1/8, 3/16, 1/4, 3/8, 1/2, 3/4
ECHOタイム 50%: 1/1
ECHOタイム 50%から100%まで: 3/2, 2/1, 3/1, 4/1, 6/1, 8/1, 12/1
最遅クロック(入力または出力)は遅延時間の限界に制約されます。よって12分の1アウトを出力するためにはそれなりに早いクロックを
入力する必要があります。(最低1.7秒間に12クロックまたは0.15秒周期)
TIPS & TRICKS:
-シグナル・インは10Vppのシグナルを想定した入力ですが、ユーロラック・システムの中ではしばしばそれよりも高いシグナルが
生成されます。レベル・コントロールを使用してクリーンなサウンドを得られるよう調整してみましょう。
-FBインの入力前にVCAやアッテネーターにパッチングしましょう。
-ピッチシフト機能を無視したければFBアウトの出力を使用しましょう。
-DEPTHにモジュレーションを与えてハーモニック・シーケンスを創造しましょう。
-ピッチシフト効果を生成するにはDEPTHを少なくとも10%以上に上げる必要があります。
-緻密なピッチシフト効果はDEPTHを低めに設定にするとよいでしょう。
-すべてのピッチ・レンジをシーケンスさせるためにはPITCHパネル・コントロールを反時計回りに0%まで絞りきり、
シーケンシャルCVをPITCH 2へ入力してみましょう。
-最遅クロックは遅延時間の限界に制約されます。よって12分の1アウトを出力するためにはそれなりに早いクロック
(最低1.7秒間に12クロックまたは0.15秒周期)をTEMPOインへ入力しましょう。
パッチ・アイデア
以下のパッチ例はすべてオーディオ・シグナルをシグナル・インへ入力し、レベル・コントロールにて調整することを前提とします。
MIXアウトから最終ミキサーまたはモニター・システムに接続しましょう。
ザ・ピラーズ・オブ・エルキュールス:
パーカッシヴなサウンドのプロセシングを目的としたパッチです。
MIX 50%, DEPTH 75%, PITCH 0%, FEEDBACK 0%(LOOP 1最大値), ECHO TIME 0%
パーカッシヴなサウンドの音量をコントロールしているエンヴェロープ・シグナルをマルチプル等で分岐し、ECHOPHONの
DEPTH CVインへ入力し、連携するアッテネーターを50%に設定します。
スライディング・ユニヴァーサル・フォノジン:
ループを作成し、テンポを維持しながらキーをトランスポーズします。
DEPTH 0%(ピッチシフト効果無し), MIX 100%, FEEDBACK 50%(フィードバック無し)
外部マスター・クロックをTEMPOインへ入力します。ECHOタイムを50%またはそれ以上に設定してマスター・クロックの分数の
エコーを出力します。FREEZEボタンを押してループを作成します。ここでDEPTHを100%に設定し、PITCHパラメーターを
変化させることでFREEZEされたサウンドをテンポを維持したままメロディックに演奏することができます。
ディジチェロ:
ピンクノイズをOptomixのシグナル・インへ入力します。Optomixのシグナル・アウトをECHOPHONのシグナル・インへ
入力します。
レベル・コントロール 80%, MIX 100%, DEPTH 100%, PITCH 0%, ECHOタイム 10%
CVとゲートを出力するシーケンス(例えばRENE等で)を作成し、ノートCVをECHOPHONのPITCH 2へ入力し、ゲートをOptomixの
STRIKEインへ入力します。FEEDBACKを調整し、ECHOPHONが自己発振する際に設定します。OptomixのDAMPパラメーターで
サウンドの響きを調整します。ECHOPHONのECHOパラメーターがサウンドの質感とレンジを変容させます。
PITCHパラメーターはサウンドのピッチをコントロールします。
スタッターフォン:
リズム・ヴァリエーションを作成するのには最適なパッチです。
MIX 50%, DEPTH 0%(ピッチシフト効果無し), FEEDBACK 50%(フィードバック無し)
外部マスター・クロックをTEMPOインへ入力します。ECHOタイム50%またはそれ以下に設定してマスター・クロックの倍数のエコーを
出力します。任意のゲートまたはマスター・クロックの分数で作成したゲートをFREEZEゲート・インへ入力するか、
またはFREEZEボタンを手動で押すことでマスター・クロックの倍数に同期したスタッター・エフェクトを得ることができます。
DEPTHとPITCHを調整して緻密なピッチシフト効果による実験や、深いハーモナイズで対旋律を加えてみましょう。
キャリブレーション手順はECHOPHONが仕様通りの動作がおこなえない時のみ必要となります。
MIXコントロール・キャリブレーション手順
この手順はMIXパネル・コントロールが時計回りに全開の際にMIXサーキットが100%のWETシグナルを出力するための調整です。
ECHOPHONには何もパッチングしない状態でパネル・コントロールを以下のように設定します。
LEVEL 0%, MIX 100%, PITCH 0%, ECHO 50%, DEPTH 0%, FEEDBACK 50%
各アッテネーターの設定は必要ありません。
1. MIXアウトからの出力をモニター・システムまたはオシロスコープまたはデジタル電圧メーターに接続します。
2. FREEZEボタンを押してFREEZE LEDを点灯させます。
3. C3にチューニングしたサイン波をシグナル・インへ入力してレベル・コントロールを65%に設定します。
4. MIXコントロール・トリマーを調整して出力をできるだけ聴こえなくなるよう(無音)にしてください。
PITCHキャリブレーション手順
PITCH 2 CVインを1V/オクターヴに適応させる調整です。
ECHOPHONには何もパッチングしない状態でパネル・コントロールを以下のように設定します。
Level 0%, MIX 50%, PITCH 0%, ECHO 50%, DEPTH 100%, FEEDBACK 50%
各アッテネーターの設定は必要ありません。
1. MIXアウトをモニター・システムに接続します。
2. C3にチューニングしたサイン波をシグナル・インへ入力してレベル・コントロールを65%に設定します。
3. クオンタイズドCVソース(RENEのQCVアウトまたはMIDI to CVソース等)または精確に設定できる電圧をPITCH 2へ入力します。
4. 2.00VをPITCH 2へ送ります。
5. DRYとWETシグナルのミックス(MIXを50%に設定することをお忘れなく)によって発生する振幅がゆるやかになるように
PITCHトリマーを調整します。
ファイン・チューニング・ピッチ(アナログ・シンセサイザーに精通した方のみに推奨します)
ECHOPHONには何もパッチングしない状態でパネル・コントロールを以下のように設定します。
Level 0%, MIX 100%, PITCH 0%, ECHO 50%, DEPTH 100%, FEEDBACK 50%
1. MIXアウトを楽器用チューナーに接続します。
2. C3にチューニングしたサイン波をシグナル・インへ入力してレベル・コントロールを65%に設定します。
3. クオンタイズドCVソース(RENEのQCVアウトMIDI to CVソース等)または精確に設定できる電圧をPITCH 2へ入力します。
4. 2.00VをPITCH 2へ送ります。
5. チューナーがC3を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
6. 2.583V(7セミトーン上昇)をPITCH 2へ送ります。
7. チューナーがG3を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
8. 1.417V(7セミトーン下降)をPITCH 2へ送ります。
9. チューナーがG2を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
10. 3V(12セミトーン上昇)をPITCH 2へ送ります。
11. チューナーがC4を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
12. 1V(12セミトーン下降)をPITCH 2へ送ります。
13. チューナーがC2を拾うようにPITCHトリマーを調整します。
ステップ13が終了したら再びステップ4を実行してみてください。エラーの発生を高域または低域のお望みのオクターヴに
追いやってください。エラーは必ず発生します。あなたのお好みでエラーを高いスケールか低いスケールに追いやってください。頑張って!
SoundHack Echophon
Pitch Shifting Echo with smooth Time Modulation, Tempo Sync, saturating Feedback and a unique Pitch Shifting algorithm inspired by the Springer Tempophon and lovingly engineered by DSP Guru Tom Erbe of soundhack .
Shift Pitch of signal +/- 2 Octaves
Exponential control of delay time -Maximum Time 1.7 Seconds, Minimum Time 7 ms
Tempo input allows synchronization of Echoes to multiple or division of an external Clock
Two independent internal digital Feedback paths (Loop 1 and Loop 2)
External Analog Feedback Path for filtered or processed echoes
FREEZE button/ gate input allows for hold, stutter and sampling techniques
24 bit ADC/DAC, 32bit processing, 16bit delay storage operating at 40khz
Vactrol based Mix circuit for smooth blending of dry and wet signals
All Analog Dry Signal Path
Voltage Control over ALL parameters
Pairs well with the Phonogene
Specifications
Width:
20hp
Max Depth:
30mm
Power:
70mA@ +12V
40mA @ -12V